顧客属性とは、性別、年齢、購買履歴など、顧客が持っている情報のことです。顧客属性の分析は精度の高いマーケティングのために欠かせません。この記事は、店舗の運営者やWebサイト運営者に向け、顧客属性とは何か、種類、分析方法を解説します。顧客属性の活用のポイントや注意点も解説しているため、自社のマーケティングの参考にしてください。
顧客属性とは?
マーケット用語として顧客属性はよく使われます。ここでは定義や分析する目的について解説します。
マーケット用語としての顧客分析の定義
マーケット用語における顧客属性とは、性別や年齢、購買情報、興味や関心など顧客が持っている情報のことです。
顧客属性の収集は、店舗の場合は会員情報や決済情報、自社のスマホアプリなどがあります。また、ホームページなどのWebサイトの場合はGoogleアナリティクスなどがを通じて収集します。
顧客属性を分析する目的
顧客属性を分析する目的は、効率的なマーケティングのためです。顧客属性が的確に分析できれば、ターゲットを絞り込んだ対策の検討が可能になります。
広告配信やDMを行うにしても適当に行うのではなく、ターゲットを絞り込み最小限のコストで売り上げを効率よく上げることが大切です。
顧客属性とセグメントの関係
セグメントとは特定の顧客情報を持つ顧客のグループのことです。一般的には複数のセグメントの中から特定のセグメントを選び対策を行います。選んだセグメントのことをターゲットと言います。
例えば、昨年は良く購入していたが、今年は購入していない顧客をまとめてセグメントとし、そのセグメントに向けてクーポンを発行するなどが挙げられます。
顧客属性を活用した4つのマーケティング手法
ここでは、顧客属性を活用したマーケティング手法として「クラスター分析」「デシル分析」「RFM分析」「CBT分析」を解説します。
クラスター分析
クラスター分析は、さまざまな顧客属性の組み合わせを持つ顧客の集団から類似性を持ったグループを作成するセグメンテーション分析の一種です。階層クラスター分析と非階層クラスター分析があります。
デシル分析
購買金額でもう少しだけ高度に分析する手法に、「デシル分析」があります。「デシル」とは語源はラテン語で、「10等分」という意味です。デシル分析とは、全顧客を購入金額の多い順番に並べて、全体を10等分し有益な情報を得ようとする分析法です。
デシル分析のデメリットとして、過去に高額商品を一度だけ購入し、その後一度も購入していない顧客も上位グループに入る可能性があり、分析対象とする売上データの期間を考える必要があります。この問題を解消する分析手法として、次のRFM分析があります。
RFM分析
RFM分析とは、Recency (直近いつ)、Frequency (頻度)、Monetary (購入金額)の3つの指標で顧客をグループ化して自社の売上への貢献度を分析するのが特徴です。
また、3つの指標を使って優良顧客、離反顧客など顧客のランク付けに用いることもできます。デシル分析より詳細な顧客属性を使っているため、精度が高い分析が可能です。
「直近いつ」という概念が入っているので、デシル分析のように過去に一度だけ高額商品を購入した顧客と、最近少額だがたくさん購入してくれている顧客が同一グループに入るようなことはなく、明確に分けて分析することができます。
CBT分析
CBT分析は主に顧客が今後どのような商品を購入するかを予測するために使うマーケティング手法です。
購買履歴や商品情報へのアクセス履歴などを顧客属性として収集し、「Category(カテゴリ)」「Taste(テイスト)」「Brand(ブランド)」の3つの指標で顧客を分類します。
CBT分析を行うことで自社にどのようなタイプの顧客が存在するのか明確にでき、販売戦略の立案や新商品開発などに役立てられます。
顧客属性によってセグメンテーションするポイント
ここでは、顧客属性を使ってセグメンテーション(顧客のグループ分け)を行うポイントを解説します。
顧客属性を分析する目的を明確にする
顧客属性を分析して何を知りたいのか明確にすることが重要です。潜在顧客を集客したい、リピーターの特徴を知りたいなど目的を明確にしてから、着目する顧客属性を決める必要があります。
自社商品の立ち位置を決める
顧客属性をもとにしたセグメンテーションやターゲティングも重要ですが、自社商品の立ち位置を検討するポジショニングも必要です。
代表的なマーケティング手法のひとつ「STPマーケティング」ではセグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングの3要素を関連付けて検討する方法があります。